山村暮鳥『雲』原稿について

直筆原稿

I-4『雲』原稿 (PDF 183MB)
 この画像データは、暮鳥会に寄託されている詩集『雲』の直筆原稿である。
 『雲』の直筆原稿は、群馬県立土屋文明記念文学館にも所蔵されているが、本原稿の方が成立時期は早い。土屋文明記念文学館蔵原稿は山村暮鳥生前最後に書かれた最終稿となる。
(解説 竹本寛秋)

山村暮鳥『雲』序文原稿および関連資料

序文1(暮鳥会寄贈資料) (PDF 1.4MB)
序文2(暮鳥会寄贈資料) (PDF 2.7MB)
序文3(暮鳥会寄贈資料) (PDF 3.0MB)
序文4(暮鳥会寄託資料)I-24「童謡(切)」の紙背 (PDF 1.0MB)
序文5(暮鳥会寄託資料)I-40「ドストエフスキーに就いて(原)(切) 翻訳」の包み紙 (PDF 1.0MB)
山村暮鳥筆、小川芋銭書簡写し(暮鳥会寄贈資料) (PDF 2.0MB)
 これらの画像データは、山村暮鳥の詩集『雲』の「序文」原稿と関連資料である。
 序文1〜3は平成二三年に発見され、土田家より暮鳥会に寄贈されたものである(暮鳥会寄贈資料[1])。草稿段階から浄書原稿に至る、『雲』「序文」の生成過程を示す資料となっている。成立順は序文1、序文2、序文3とみられる。
 序文4、序文5は、暮鳥会寄託資料[2]から発見された原稿であり、『雲』序文の書き損じとみられる。序文4は暮鳥会寄託資料I-24「童謡(切)」原稿のうち、「たのしきゆふべ」「石臼の唄」の雑誌切抜を貼付した紙の裏面に書かれたものである。序文5は暮鳥会寄託資料I-40「ドストエフスキーに就いて(原)(切) 翻訳」の原稿束をまとめる当紙として使用されていた原稿用紙に書かれていたものである。
 山村暮鳥筆、小川芋銭書簡写しは、序文1〜3と共に保管されていたものである。この書簡は詩集『雲』跋文(ばつぶん)とする目的で書き写された可能性がある[3] 。ただし、暮鳥が筆写した小川芋銭の書簡文面と、小川芋銭『芋銭子文翰全集 下巻』(中央公論社 昭和一五年二月 一二九―一三一頁)に掲載されている書簡文面には多くの異同がある。

なお、本序文の翻刻は暮鳥会機関誌『雲』21号(2016年9月刊行)に掲載されている。
(解説 竹本寛秋)

[1]「暮鳥会寄託資料」とは、土田家より暮鳥会に管理委託され、現在茨城県立図書館が保管している資料である。

[2]「暮鳥会寄贈資料」は、平成23年に発見され、暮鳥会に寄贈された新資料群である。

[3] 山村暮鳥『梢の巣にて』(叢文閣 大正一〇年五月)では、有島武郎の書簡が序として利用されている


※本画像データは、JSPS科研費(「地方における文芸コミュニティの形成と変容に関する研究—暮鳥会寄託資料を軸として」研究代表者:竹本寛秋 課題番号:26370261)の助成を受けた成果の一部として作成されたものである。

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updated: 2016.09.04